プラス収支への第一歩
短距離戦では、騎手の能力が介在する要素が少なく、馬の資質がレースの行方を左右しますので、コース別の特徴を理解したうえでの穴馬探しが重要です。
展開面の不確定要素が少ない分、中長距離と比べると予想はしやすいといえます。
馬の資質に合致したコースであれば、好走する確率が高く、予想もしやすいので、おすすめです。
出遅れた場合、逆転が難しいという面もありますが、番組が多い“芝1200m戦”を制することが、プラス収支への第一歩となりますので、ぜひ最後まで読んでください。m(__)m
コース別の特徴
札幌芝1200m
コース形態
右回り
直線
Aコース:266.1m Bコース:267.6m Cコース:269.1m
起伏
平坦
ポイント
- “洋芝”のわりに意外と早い時計が計時
- “逃げ・先行馬”が有利
- ゴール前の直線が短いにもかかわらず、実は“大箱コース”
- コーナーを周りながら加速できる馬が理想
函館芝1200m
コース形態
右回り
直線
Aコース・Bコース:262.1m Cコース:264.5m
起伏
前半:主に上り 後半:主に下り
ポイント
- “洋芝”のため、重い芝巧者が活躍(早い時計の場合もあるので、馬場レベルを観察)
- ゴール板が4コーナー寄りにあるため、“逃げ・先行馬”が有利
- 下り坂で加速することができ、かつ、一瞬の切れる脚が使えればベスト
福島芝1200m
コース形態
右回り
直線
Aコース:292m Bコース:297.5m Cコース:299.7m
起伏
前半:主に上り 後半:主に上り
ポイント
- 走破時計にバラつきがあるため、馬場レベルに応じて有利な脚質が変化
- 勾配は緩やかなので、レースへの影響は軽微
- スピードを維持したまま、スパイラルカーブを曲がることができる、“逃げ・先行馬”が有利
- “差し馬”が末脚を活かす場合は、早いギアチェンジが必須条件
新潟芝1200m
コース形態
左回り
直線
358.7m
起伏
平坦
ポイント
- 基本的には、“逃げ・先行馬”が有利
- 急坂コースで凡走した馬の巻き返しに注意
中山芝1200m
コース形態
右回り
直線
310m
起伏
前半:主に下り 後半:主に上り
ポイント
- スタートしてから、約400mの下り坂を味方にできる、“逃げ・先行馬”が有利
- ゴール前の急坂を苦にしないタフさが必須条件
- 先行争いの激化により、“差し馬”が台頭する場合もあり、メンバーの脚質構成には要注意
中京芝1200m
コース形態
左回り
直線
412.5m
起伏
前半:主に下り 後半:主に上り
ポイント
- ゴール前の直線が、400m以上あるため、“差し馬”が有利
- “逃げ・先行馬”が勝ち切るには、スピードの持続力と急坂適性が必須条件
- タフさが問われるコースだけに、スタミナが重要
京都芝1200m(改装中)
コース形態
右回り
直線
Aコース:328.4m B・C・Dコース:323.4m
起伏
前半:主に上り 後半:平坦
ポイント
- スタート直後が上り坂のため、ペースが上りにくく、距離短縮馬の追走が楽(距離短縮馬の好走に警戒)
- ゴール前の直線は長くないが、意外に瞬発力も重要
- 早い時計が計時される傾向(持ち時計が重要)
阪神芝1200m
コース形態
右回り
直線
Aコース:356.5m Bコース:359.1m
起伏
前半:主に下り 後半:主に上り
ポイント
- 基本的には、“逃げ・先行馬”が有利だが、急坂適性が必須条件
- タフさと瞬発力を兼備しているタイプが有利
小倉芝1200m
コース形態
右回り
直線
293m
起伏
前半:主に下り 後半:平坦
ポイント
- 基本的には、“逃げ・先行馬”が有利も、先行争いが激化すれば、差し馬が台頭
- 馬場レベルによって脚質の有利不利が変動するため、馬場のチェックは必須
- 夏場は高速馬場の傾向(持ち時計が重要)
盲点となる“起伏”
コース別の特徴のうち、多くの競馬ファンに意識されていないのが、“起伏”です。
競馬予想家“半笑い氏”の書籍の中に、“上り坂や下り坂の適性が、レース結果に影響をおよぼす”という主旨の記述があります。
下り坂が苦手な馬がいるようなことは考えたことがなかったので、衝撃を受けるとともに、“起伏”を意識するきっかけになりました。
“多くの競馬ファンが意識していないこと”=“有益な情報”と考え、“起伏”に注目したところ、“中山コース”を得意とする、“モズスーパーフレア”の存在に気づきました。
同馬は、スタート直後から続く下り坂で勢い良く加速し、中山コース特有の“急坂”を苦にすることなく逃げ切るのが必勝パターンです。
必勝パターンとなる要素を分析すると、“前半が下り坂”、“後半が上り坂”の2点が浮かび上がってきますが、真逆の適性となる、“前半が上り坂”、“後半が平坦”の場合、どのような影響があるのかが気になったので、検証することにしました。
“起伏”による影響
あくまでも独自見解になりますが、“モズスーパーフレア”は、“前半が下り坂”でこそ、真価を発揮するタイプだと思います。
適性と真逆の特徴がある、“京都コース”を苦手としていたのは、そのためです。
“前半が上り坂”の“京都コース”では、スタートダッシュが上手くいかず、理想とする加速が得られないまま、瞬発力が求められるゴール前の直線を迎えます。
得意とする場面がほとんどない状況では、苦戦を強いられるのも当然といえます。
“京都コース”の成績が良くないことは、多くの競馬ファンも把握していたと思いますが、結果的には人気馬に支持されていました。
このことは、“起伏”の概念が希薄であることの証左といっても過言ではありません。
危険な人気馬が支持されている状況に気づくことができれば、プラス収支に大きく近づきます。
なぜなら、人気馬の凡走が、“荒れるレース”のメカニズムだからです。
“モズスーパーフレア”の“コース別成績”と“ハイライト”
コース別成績
- 札幌・・・0000
- 函館・・・1001(前半:主に上り 後半:主に下り)
- 福島・・・0000
- 新潟・・・0000
- 東京・・・0000
- 中山・・・3201(前半:主に下り 後半:主に上り)
- 中京・・・1005(前半:主に下り 後半:主に上り)
- 京都・・・0014(前半:主に上り 後半:平坦)
- 阪神・・・0000
- 小倉・・・2102(前半:主に下り 後半:平坦)
※2021年7月1日時点
- レースの“前半が下り坂”である、“中山コース”と“小倉コース”に良績が集中
- “中京コース”については、“前半が下り坂”ではあるものの、“差し馬”が台頭する舞台であるため、例外
- “急坂コース”はOK
- レースの“前半が上り坂”である、“京都コース”は苦手
ハイライト
中山11R スプリンターズS 3歳上OP 芝1200m 定量 2019年9月29日 ☁ -良-
1着 4枠8番 タワーオブロンドン 2番人気
⑪⑧-① 差し 1分7秒1(上り:33秒5)
2着 4枠7番 モズスーパーフレア 3番人気
①①-➁ 逃げ 1分7秒2(上り:34秒4)
3着 1枠2番 ダノンスマッシュ 1番人気
⑦⑧-③ 差し 1分7秒2(上り:33秒7)
得意の“中山コース”で連対!!
京都12R 京阪杯 3歳上OP 芝1200m 別定 2019年11月24日 ☁ -良-
1着 3枠6番 ライトオンキュー 2番人気
⑨⑧-① 差し 1分8秒8(上り:33秒7)
・
・
・
8着 7枠14番 モズスーパーフレア 1番人気
①①-⑧ 逃げ 1分9秒6(上り:35秒4)
差し馬の強襲…💦
京都11R シルクロードS 4歳上OP 芝1200m ハンデ 2020年2月2日 ☀ -良-
1着 4枠8番 アウィルアウェイ 3番人気
⑬⑫-① 差し 1分9秒0(上り:33秒7)
・
・
・
4着 2枠3番 モズスーパーフレア 2番人気
①①-④ 逃げ 1分9秒2(上り:35秒3)
逃げ切れず…💦
中京11R 高松宮記念 4歳上OP 芝1200m 定量 2020年3月29日 ☀ -重-
1着 8枠16番 モズスーパーフレア 9番人気
①①-➁ 逃げ 1分8秒7(上り:34秒5)
2着 4枠8番 グランアレグリア 2番人気
⑬⑫-③ 差し 1分8秒7(上り:33秒1)
3着 2枠3番 ダイアトニック 4番人気
④④-④ 先行 1分8秒7(上り:33秒7)
“前半が下り坂”でミドルペース♬
意外に活躍する“小回りコース”の“差し馬”
“芝1200m戦”は短距離戦なので、基本的には、“逃げ・先行馬”が有利な場合がほどんどですが、だからこそ、“差し馬”が台頭するともいえます。
特に“小回りコース”では、先手必勝の騎手心理によって先行争いが激化し、前に行った馬がスタミナ切れを起こすからです。
いわゆる、“前崩れ”の発生です。
よって、“逃げ・先行馬”が多数いるメンバー構成の場合は、注意が必要です。
“展開を読む”ということも一考の価値がありますので、意識することをおすすめします。
- 短距離戦では、騎手の能力が介在する要素が少ないため、馬の資質がレースの行方を左右する。
- “起伏”に注目することが、大きなアドバンテージになる。
- “展開予想”も一考の価値あり。
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