“上がり3ハロン”の過信は禁物
競馬新聞の馬柱には、紛れもない事実しか掲載されていないので、勝ち馬の予想には欠かせません。
とりわけ、“上がり3ハロン”の時計は、とっつきやすく、多くの競馬ファンが注目しているのではないでしょうか。(^^)v
“上がり3ハロン”の時計が重要であることは間違いないのですが、過信すると大ヤケドを負うことになります。
“上がり3ハロン”の本質と向き合うことにより、馬券収支が大きくプラスに近づくはずですので、ぜひ最後まで読んでください。m(__)m
今回の記事は、馬ごとの“上がり3ハロン”について述べたものになります。
まず最初に結論から述べます。
“上がり3ハロン”の時計は万能ではない
【結論】レースの見極めが重要
近代競馬は、“スローペース症候群”といわれるくらい、ゴール前の瞬発力勝負になるレースが多発しています。
よって、“上がり3ハロン”の時計が重要になるのですが、瞬発力だけではどうにもならないレースもありますので、“過信”は禁物です。
つまり、“上がり3ハロン”の時計は万能ではないのです。
“上がり3ハロン”の時計とは
ゴール手前600mの時計のこと
“上がり3ハロン”の時計が早ければ、瞬発力勝負に長けた馬ということになります。
(JRA公式サイト:上がり(競馬用語辞典) JRA)
“上がり3ハロン”の時計を競馬予想に活用する方法【5つの重要ポイント】
上がり3ハロンの時計を予想に活かすには、差し・追込み馬が有利な条件を意識する必要があります。
末脚が活きる条件でないと、上がり3ハロンの時計に意味がなくなるからです。
差し・追込み馬が有利な条件としては、5つのポイントが挙げられます。
当てはまっている条件が多いほど、上がり3ハロンの時計が重要になります。
競馬新聞の馬柱には、上がり3ハロンの時計が掲載されていますので、しっかりとチェックしましょう。
①“ダート”よりも“芝”
ダートは基本的に逃げ・先行馬が有利になりやすいので、芝のレースの方がベター。
東京コースのダートは例外(特に1600m戦)
②差し・追込み馬が有利な馬場
開幕週などの高速馬場では、逃げ・先行馬も早い上がりが使えるため、差し・追込み馬が末脚を駆使しても、前に行った馬に追いつけない現象が発生します。
いわゆる、“前残り”です。
ですので、レース当日の馬場傾向を見極める必要があります。
差し・追込み馬が好走している馬場でこそ、上がり3ハロンの時計が重要になります。
③メンバー構成
スローぺース濃厚
有力な逃げ・先行馬不在のメンバー構成では、スローペースの瞬発力勝負になりやすく、差し・追込み馬が有利になる傾向にあります。
ハイペース濃厚
逃げ・先行馬多数のメンバー構成では、先行争いの激化により、前に行った馬が総崩れになるケースが発生します。
先行争いが激化すれば、差し・追込み馬が有利になる傾向にあります。
ハイペース志向の逃げ・先行馬はコース形態に関係なく好走するので、例外
④ゴール前の直線が長いコース
直線が長いコースでは、よほど有力な逃げ・先行馬でない限り、逃げ切りが難しくなるので、差し・追込み馬が有利になる傾向にあります。
ゴール前の直線が長いコースは以下のとおり。
芝
- 新潟コース
- 東京コース
- 中京コース
- 阪神コース
- 京都コース
全場とも内回りコース・短距離戦は除く
ダート
- 東京コース
⑤1600m以上の距離
逃げ・先行馬の逃げ切りが難しくなる、1600m以上の距離がベター。
“上がり3ハロン”の見逃されがちなポイント
①“上がり3ハロン”の時計に注目することの優位性
スローペースの瞬発力勝負が頻発し、上がりの早い馬が有利ということは、多くの競馬ファンに認知されていますので、“上がり3ハロン”の時計だけに注目しても優位性はありません。
②前が止まらない高速馬場
“上がり3ハロン”に注目したにもかかわらず、まったく届かない場合もあります。
前が止まらない高速馬場では、“上がり3ハロン”の時計は“無力化”します。
③ダート戦は差しが決まりにくい傾向
ダート戦においては、東京コースを除き、前に行った馬が有利になる傾向にありますので、“上がり3ハロン”の時計が早くても、差し届かないことが多くなります。
東京コース以外のダート戦では、“上がり3ハロン”の時計に“芝”ほどの価値はありません。
価値のある“上がり3ハロン”の時計とは
同じように見える“上がり3ハロン”でも、走破時計が早く、かつ“上がり3ハロン”も早い場合には、価値があります。
走破時計が早ければ、よどみのない流れである可能性が高く、途中で息を整える余裕がないままゴール前の直線をむかえ、そこでさらに“ギア”を上げたことになるからです。
いわゆる、“ハイペース”です。
ハイペースの場合、ほとんどの馬がスタミナに余裕がない状態でゴールするので、“上がり3ハロン”の時計は遅くなる傾向にあります。
ハイペースのレースで早い上がりを使えていれば、文句なしに価値のある“上がり3ハロン”といえます。
馬場状態によって、時計は大きく変化するのですが、大まかにいうと、早い“上がり3ハロン”は33秒台、遅い“上がり3ハロン”は35秒台と考えてよいかと思います。
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“早い時計”で好走する馬は限定的
時計がかかる馬場状態の場合、多くの馬に好走する可能性があるため、混戦になりますが、“早い時計”が計時される馬場状態では、限られた馬しか好走できません。
高速馬場の場合、前が止まらないことが多いのですが、時に差しが届くような高速馬場も存在します。
そのような時は、32秒台の“上がり3ハロン”が計時されることもあり、限られた馬のみが好走します。
限られた馬とは、“時計勝負歓迎”のタイプです。
“上がり3ハロン”の時計に注目する際、唯一優位性があるとすれば、高速馬場で差せる馬を記憶しておくことです。
“競馬は記憶のゲーム”です。
多くの競馬ファンが注目していないことに着目できれば、大きなアドバンテージになります。
しっかりと優位性のある情報を記憶しましょう。(^^)v
【実例】シュネルマイスター
“早い時計”で好走した馬の実例として、“シュネルマイスター”を挙げます。
“NHKマイルカップ”では、1分31秒台の超高速馬場にもかかわらず、上がり2位の末脚で差し切りました。
“前残り”が発生しても不思議ではないような馬場で好走していることから、“超一流馬”といっても過言ではないでしょう。
🏇東京11R NHKマイルカップ 3歳オープン 芝1600m 定量 2021年5月9日 ☀ -良-
1着 7枠15番 シュネルマイスター 2番人気
⑨⑨-① 差し 1分31秒6(上がり:34秒0)
2着 5枠10番 ソングライン 7番人気
⑥⑦-➁ 差し 1分31秒6(上がり:34秒3)
3着 4枠8番 グレナディアガーズ 1番人気
③➁-③ 先行 1分32秒1(上がり:35秒1)
まとめ
- レースの見極めが重要
- “上がり3ハロン”の時計は万能ではない
- “早い時計”で好走する馬は限られる
- “高速馬場”で差せる馬は超一流
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